活動報告

2012年6月6日(水)

WHOの英国医療事故被害者遺族代表 ジョセフィン・オクルーさんと意見交換を行いました。

オクルーさんは1996年に医療事故で娘さんを亡くされました。その後、医療事故調査の申立てを3回行いましたが、納得のいく説明を得られませんでした。

そのような経験からオクルーさんは、2004年に患者安全について医療社会学(特にアクション・リサーチ)の見地からアプローチする研究者として博士号を取得し、研究活動に行っています。 今回は、その活動の一環で日本を訪問することになり、同じ医療事故被害者遺族の当NPO豊田理事長と永井理事との意見交換会が実現しました。

イギリスでの患者サポートの現状は、国の指示によって全病院に患者相談窓口(PALS ? Patient Advice and Liaison Services )が設置されており、そこには病院職員(必須ではないようですが、医療従事者であることが多いとのこと)が配置されているそうです。

そこでの対応で納得が得られなければ、地域ごとに設置されている独立苦情サポート窓口 (ICAS- Independent Complaints Advocacy Service)に相談を持ち込むことができ、さらに次のステップとしてオンブズマンに訴えることも可能です。しかし、ごく短期間で制度が変わることや周知不足であること、またオンブズマンが取り扱うケースに相当な限りもあり、この制度をうまく利用している患者さんはごく一部に限られているようです。

これらをお聞きして、イギリスでも医療事故に遭われた患者・遺族に対し、十分なサポートを受けることができていないと感じるケースが多いのは日本と状況が似ていると感じました。

(報告者:大西)